社会人出身の大学教員(社会科学系) 萬日記

このブログは、社会人経験10年後に大学教員(関東中堅私大)になった36歳おっさんの日常の雑感を綴ったものです。

大学教員のデメリットについて その②

 おはようございます。前回の日記を書いた後に、入試やセンター試験の監督業務でドタバタしておりました。

 ちょうど1月中旬から2月中旬は、後期試験と本務校の入試業務、センター試験の監督業務と続き、中々忙しい時期でございます。

 さて、前回大学教員のデメリットについて その①の続きです。ここでは、デメリットBEST4を書きたいと思います。

  ずばり、BEST4「論文(研究)を書き続けなければ明日はない」です。

これは、デメリットというより、大学教員(研究者)の宿命ですし、研究が好きな人にとってはデメリットと感じない先生方も多くいると思います。もちろん、私自身も研究や文章で何かを表現することがとても好きなので、論文を執筆すること自体は全然苦ではないです。

 では、なぜデメリットとして挙げたかというと、論文を執筆する動機がどうしても自分の雇用と密接な関係になってくるからだと思います。今の若手研究者の多くは、最初は3年程度の任期付きから教員人生をスタートすることになるのですが、任期無しのいわゆるテニュアでの雇用を望むのであれば、研究業績が必須となってきます。

 また、短い任期の最中に、滞りなく次の雇用にありつくためには、定期的かつ頻繁に研究業績を積まなければなりません。大学教員の世界は、学生数の減少とともに年々、そのポストも少なくなるので、鎬を削るライバルは大勢います。

 そうすると、成果が出やすい研究であったり、見た目の研究業績を増やすことができる共著などの研究に重きを置かざるを得ず、本当に自分のやりたい研究に本腰を入れて取り組むことが難しくなっていきます。

 理想は、自分がやりたいと研究を、しっかりしたプロセスを経て実施するのが良いのですが、なかなか折り合いがつかないこともあると思います。(自然科学系の研究は特にこの傾向が顕著だと聞きますが、社会科学系も然りです。)

 また、前回にもあげた学内業務が若手研究者には否応なしに降りかかってくるので、研究能力と色々なマネジメント能力も必要だと日々実感しています。

 あと、研究にはどうしても研究費用が多少なりとも必要ですが、研究費の獲得も若手教員はなかなかハードルが高いので、単独の研究ではなく先ほど挙げた手を出しやすい研究から初めて、そのままずるずる任期まで行ってしまうという若手研究者も周りにいらっしゃいます。

 そうすると、いつの間にか任期が切れてしまい、中年でプー太郎(実家があればニート)やひも生活に落ちいる(そして、研究者である所属先を失い、再就職がまた難しくなる)という暗い闇が待っています。

 デメリットのBEST4で、このレベルの闇だと、BEST3以上はどうなるんだと思いますが、今日はこの辺で終わりたいと思います。

 今日は一日、後期の成績付けでございます。(評価基準を毎回授業時に実施する小テストに設定してしまったことを超絶後悔しております。100人分×14回の小テストの管理は地獄でした。。一発定期テストにすればよかった。。)