社会人出身の大学教員(社会科学系) 萬日記

このブログは、社会人経験10年後に大学教員(関東中堅私大)になった36歳おっさんの日常の雑感を綴ったものです。

教員の任期について

おはようございます。本日は、1日他大学での非常勤講師の日でございます。

 だいたい授業開始の1時間前には、到着するようにしておりますので、非常勤講師室からこのブログを書いております。

  今日のお話は、大学教員の任期についてです。このブログを読んでいただいている方の中には、私が経験したように社会人から大学教員への道を模索されていらっしゃっる方もいると思います。

   そんな社会人出身の教員志願者の道の最初の関所と言いますか、踏み絵的なものに「教員の任期」があります。

  社会科学系だけではないのですが、最近の教員公募情勢を見ると若手教員(いわゆる助手、助教クラス)の任期ありは、ほぼ当然で分野によっては講師、准教授クラスの公募でも任期ありが多く出されるようになりました。

   大学側の理屈では、研究者の活発な研究を促すことによる大学教員の質の向上を目指すという建前的な言い分(任期を設けることによって、コンスタントに研究業績を出してください的な)だと思いますが、本音はやばい教員(いろんな意味で)が永住してがん化しないような環境を作るためというのがあると思います。

  例を挙げると、研究をしない、論文等を出さない、毎年同じ内容の授業しかしないは序の口で、授業以外は全く大学にいない(外の仕事ばかりしている)、学生対応が基本何らかのハラスメントになっている(自覚、無自覚問わず)、他教員の足を引っ張るなど、挙げればきりがないくらいです。

  大学側は、上記のようながん化が起こるのは、基本は首にならないという任期なしの雇用契約にあると考えるからです。(一概には言えないですが、うちの大学でもそんな教員が多いです。というかそんな教員しかいないような、、、いや失礼しました。撤回します。素晴らしい先生しかいないです!)

   そして、このような大学教員に任期をつけるという流れは、社会人から教員を目指す人にとっては、非常にハイリスクであると言えます。

  安定した会社員の地位を捨て、大学教員(任期あり)になったはいいが、任期満了後の次がない。なんて笑えない状況が高確率で起こりうるからです。

  ただでさえ、社会人出身の教員は大学院からの純粋培養の教員と比べて、研究業績が少ない傾向にありますし、教育歴も少なくなりますので、2回目の公募戦線では圧倒的に不利な立場になる恐れがあります。

  2回目に公募戦線では、社会人出身というアピールポイントも薄れ純粋培養教員と同じスタートラインで戦わなければならないので、当然、戦いに数多破れ、条件の良くない公募(短い任期の再任なしなど)に流れて行かなければ生きていけないと言った感じです。

    実際、私も任期あり教員なので、明日は我が身ですし、そうやって大学や専門学校の非常勤講師をいくつもやって何とか食いつないでいる先輩方も多くいます。そして、毎年若い世代が台頭してくるので、スタート地点の年齢が高くなりがちな社会人出身者には、非常にハイリスクであることがお分かり頂けると思います。

 自分だけの金看板(全国レベルの組織出身やキャリア官僚等の経験者、学会賞受賞レベルの研究業績やその業界の現場第一人者的な経験)があれば、話は別ですが、現実は厳しいですね。

   今日は朝からテンションを自分自信で下げるという愚行を犯してしまいましたのでこのあたりで終わりたいと思います。

  大学教員(特に社会人出身)は実力とそれ以上の運が必要ですねと言うお話でした。