社会人出身の大学教員(社会科学系) 萬日記

このブログは、社会人経験10年後に大学教員(関東中堅私大)になった36歳おっさんの日常の雑感を綴ったものです。

大学教員のメリットについて

 こんにちは。本日は、成人の日(祝日)ということもあり、大学内にはほとんど学生の姿が見られません。さすがに普通の祝日の月曜日は授業があるのですが、成人の日は該当学生が多すぎるためか、全休になる大学がほとんどだと思います。

 一般的な大学では、年が明けると後期授業の後半に差し掛かり、期末テストの準備や入試業務(センター試験もそうですね)等で忙しくなる時期です。社会科学系の学部では、1月~2月で国家試験(卒業見込みで4年生が受験)も多く実施されるので、てんやわんやです。

 さて、本日は大学教員のメリットについて書いていきたいと思います。私は、社会人から大学教員に転身した身なのですが、大学教員になる前に「これはメリットだろうなぁ」と考えていたものが、意外とそうでもなかったりすることもあります。

 ということで、まだまだ大学教員になり立ての私が感じる「大学教員のメリット」をBEST5形式で発表したい思います。

 

  BEST5 「仕事のマネジメントが自分自身でできることが多い」

 社会人出身なので感じることかもしれませんが、日々の仕事のマネジメントの主導権が自分にあるという環境は、非常にやりやすいと感じます。

(多少のチームプレイが必要な学内業務はありますが)会社という組織で働いているとそうはいかず、その環境に適した仕事のやり方が求められますが、大学教員はある程度、自分自身で仕事の進行管理ができるので、社会人時代に感じていた人間関係に起因するストレスは激減したと思います。(裏返すとすべて自己責任になるという大きなリスクもありますが)

 

  BEST4 「服装や髪型等の身だしなみに制限が少ない」

 一般的に大学の教員は、服装や髪型等の身だしなみが自由な人が多いイメージがあるかと思います。メディア等に出演されている著名な先生方の中にも奇抜なファッション(他人から見れば)をされていらっしゃる方も多くいます。私自身は、臆病ものかつおしゃれに無頓着な人種なので、あまり恩恵を受けていない気がするのですが、よくよく考えると「毎日スーツを着なくてよい」という大変な重要な恩恵を受けていることに気づきました。

 社会人時代は、毎日スーツ(ちゃんと違った種類のを)を着ることがかなり億劫でしたが、教員になってスーツを着る機会がほとんどなくなりました。(入学式、卒業式、実習等の巡回方法、学会や外部の委員会出席時くらい)基本的な服装として夏は、無職のポロシャツに無地にパンツにカジュアルブーツ、春・秋はその上にカーディガン、冬はセーターを中に着込むくらいです。

(教員の中にはあえてスーツをかっこよく着こなしている先生方もいらっしゃいますし、警官から職務質問されないか心配な服装の方も中にはいらっしゃいます。)

 

 BEST3 「業務上の直接指揮・指導権を持つ上司がいない」

 これもBEST5のマネジメントにつながるものですが、上司からとやかく言われることがなくなったのは非常にありがたいとなぁと感じてしまいます。(当時、指導をいただいた上司の方に感謝を込めて)

 ですので、音楽を聞きながら仕事をしていたり、携帯をいじりながら仕事をしていても怒られることはほとんどありません。(ちゃんと仕事(結果を出す)をしていれば)また、大学という組織で共有しているルールに逸脱しない限りは、「〇〇はこうだ!」と発信しても「〇〇先生の考え方だから。」とある程度許容される土壌があるのは非常にありがたいことです。「多様性を認める」ということだと思うのですが、一般企業(特に営利企業)では、なかなか難しいかなと感じることが多いです。

 

 BEST2 「(やることなすこと)起案を立てなくてよい。」

 「起案って何?」って思われた方。学生さんかはたまた羨ましい環境(そうでもないかもですが)にて仕事をされている方とお見受けします。

 「起案」というのは、上司や組織に対して「これから〇〇をしますので、よろしくお願いいたします。」という確認作業のようなものです。行政関係の仕事をしている人は特に共感いただけると思いますが、起案が必要な職場では、「やることなすこと」起案が必要な場合が多いです。例えば、何か物品を購入するにしても、「購入してよろしいでしょうか?」という起案文書と上司や組織の確認(押印)が必要になります。そして、この起案文書に決裁(許可がおりること)が下りてやっと行動に移すことができます。大きい組織や重要な仕事だと、起案文書を作成して決裁が下りるまで最短で一週間かかることも良くある話です。

 その点、大学教員の仕事は大前提として「自己責任を前提とした事後報告」という仕事の仕方がありますので、教員に転身して起案を立てる機会は出張や大型器具の購入する時くらいしかありません。

 これは、社会人出身の自分の中で、かなり嬉しかったことの一つでした。

 

そして栄えあるBEST1は、

 BEST1 「(自分に対する用件以外の)電話に出なくてよい」です。

 これこそが大学教員のメリットだと断言できます。昭和生まれの社会人だと、必ず新人時代に電話を率先して取るように指導された世代だと思いますが、大学教員は基本自分に用事がある人以外からは電話がかかってこないので、非常にありがたいことです。

「外部からの電話はツーコール以内に出ろ。スリーコールで出たら「お待たせしてすみませんから話せ!」」と指導されたあの頃が懐かしいです。(遠い目)

私は電話で話すこと自体は、苦手ではなかったのですが、自分以外の同僚や上司への電話を取りつなぐ行為はとても嫌でした。(めんどくさい&時間が取られる:メモを取ったり、伝言を受けたりと派生する仕事が結構ありますよね)

 

 いかがでしょうか?社会人の読者の方には、共感いただける項目が少なからずあったと思います。次回は、逆にデメリット(こちらの方が圧倒的に多い気がしますが)について書いてみたいと思います。さぁ、期末テストの問題を作らねば。(その後の採点地獄を考えるとフリーアンサー形式は避けたいですね。)